主人公の華美は外資系食料品メーカーの事務員で、生活費を切り詰め株に投資することで5000万円を貯め、年間配当金250万円を目指しています。
私も40代の時まったく同じ考えでした。
この本を読んで最も印象に残っているのは、華美が投資セミナーで知り合った3人の老人の話です。
この3人の金融資産は1億円を超えています。
ところが、未だに倹約に徹して、生活は生活保護受給者以下のレベルです。
ブランド品も買わず、友だち付き合いも制限しています。
華美はこの3人の老人を見て、倹約をして5000万円の目標を達成しても、生活は生活保護受給者以下のレベルかと迷います。
私はこの3人の老人のことがよくわかります。
若い頃は、ブランド品を買ったり、旅行したり、友だち付き合いでお金を使ったりするのが楽しいです。
また、お金を使って経験を積むことも大事です。
しかし、倹約を続けたら楽しさ以外の喜びを得ます。
体重が10kg痩せました。
血圧はいつ測っても110以下です。
寝付きが滅茶苦茶良くなります。
酒を止めて快眠できます。
血行が良くなって視力が戻りました。
質素な食事が滅茶苦茶旨いです。
もう若い頃の不摂生な生活には戻りたくありません。
お金を残したまま死んでも後悔はしません。
生活保護受給者以下のレベルの食事でも健康なら幸福だと思います。
それに、お金を残したまま死んでもお金はムダにはなっていません。
高齢になれば頼れるのはお金だけです。
お金が自分の身を守るボディーガードになってくれます。
私も60才になれば倹約も1日1食もウォーキングも止めて、好きなものを食べて酒も飲んでもっとぐうたらに暮らしたいと思っていました。
しかし、倹約やストイックな生活で得た健康な生活が捨てられません。
禁煙や禁酒を続ければ最初は苦しいです。
しかし、食事が旨い、体の調子が良いなど、どんどん禁煙や禁酒の良さに気付くようになります。
そして、2度とたばこや酒を飲みたいとは思わなくなります。
これと同じです。
主人公の華美の恋人は「使わないお金は死んでいる」と笑うけど、私はそんなことはないと思います。
FIREが流行っているど「Phantom」読んで、お金が好きか、お金を使うことが好きか、改めていろいろ考えました。